医療関係者の皆様へ

このページは、当社の医療機器に関する情報を、医療関係者の方へご提供することを目的として作成しております。一般の方への情報提供を目的としたものではありませんので、あらかじめご了承ください。

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JMS医療関係者向け腹膜透析情報サイト

腹膜透析とは

患者指導について

知識

腎臓について、機能や状態を理解してもらいます。

PDについて、基本原理や自己管理に必要な基礎知識、実際の治療を受けるスケジュール等。安定したPDライフを過ごせる状態がどのようなものかを理解してもらいます。

清潔概念について、一般的な概念ではなく、医療における清潔・不潔の概念をもって治療を行う必要があることを理解してもらいます。

手技

バッグ交換
※我流にならないように注意しましょう。

環境整備

バッグ交換に適した環境を整える(適切な清掃を行い、ペットを部屋に入れないなど)

排液の計量

バッグ交換が終了したら排液量を測定、除水量の計算を行う。
秤は台秤、ばね秤のどちらでも良い。
患者の状態に合わせ、デジタル秤などで対応する場合もある。

排液の性状確認

バッグ交換時には必ず毎回排液の性状確認を行い、腹膜炎や異常の早期発見に努め、性状確認は排液確認ボード等で確認する。

【排液性状の確認の方法】

排液確認ボードなどに透析液を乗せて下の文字がどのくらい見えるかを確認する。

  • 排液混濁…腹膜炎を起こしている可能性があるため、排液を病院へ持参してもらい、検査する。
  • フィブリン混入…炎症性物質でカテーテルの刺激などで出現することもある。多量に継続した場合腹膜炎を起こしていることもある。
  • 血性排液…腹腔内へ何らかの原因で出血が起きている状態。腹部殴打や排卵・月経周期の影響、内臓疾患の可能性もある。

【排液の混濁状態】

交換の記録

日々のバッグ交換の状況について記録ノートに記載する習慣をつける。
この記録を外来受診時に持参してもらい、日常生活の状態を把握し、適切な指導を実施する。

出口部ケア

出口部のケアには洗浄を行う方法と消毒薬を使用する方法があります。
ケアの方法は出口部の状態を見て患者へ指導します。
接続チューブは引っ張れないようにテープや収納ツールを利用して固定することが望ましいです。

ポイント

  • チューブが皮膚と接する面は汚れがたまりやすいので、チューブを引っ張らないように持ちあげてケアを実施する。裏側などで見にくい場合は手鏡やペンライトを使用する。
  • 皮膚のかぶれ防止のため、テープを張る位置は毎日変える。
  • カテーテルの引っ張りやねじれを防ぐために、カテーテルに自然なたるみ(遊び)をもたせてテープ固定する。
  • ドレッシング材や綿棒の数、ガーゼの当て方などは患者さんに合わせて決める。

入浴・シャワー浴指導でのポイント

清潔方法は出口部を水に直接さらす方法(オープン)とぬらさない方法(クローズド)があります。

【パターン例】

  • クローズドシャワー:出口部を保護してシャワー
  • クローズド入浴+クローズドシャワー:出口部を保護しシャワー、浴槽へつかってもよい
  • クローズド入浴+オープンシャワー:出口部を保護し、浴槽へつかる、シャワー時は保護を取り直接ぬらして洗浄する
  • オープン入浴:出口部はそのままの状態で浴槽につかったりシャワーをする

【入浴前の確認】

下記のようなことがあれば入浴を中止し、病院へ相談するよう指導する

  • 体調がすぐれない
  • カテーテル出口部の異常
  • カテーテル接続チューブの接続部のゆるみ、ひび割れ
  • 排液の異常

物品

退院後に必要な物品

①加温器 ②はかり ③スタンド ④カテーテルケア用品
透析液の加温器は、自治体への申請で負担金が軽減される場合があるため、申請等については担当看護師が説明を行う 上皿秤かばね秤
(10g単位で計測ができるもの、かつ2kg以上測定できるものを推奨)
APD装置の場合、自動計量が可能だが、CAPDを併用する場合は秤が必要
S字フック等でも代用可能 ガーゼ・綿棒・消毒液・テープ等、患者に応じたケア用品
⑤入浴用品 ⑥手指消毒剤 ⑦JMSから無償提供するもの
個人に合った入浴用品を準備(電話やネットから注文できるシステムなども提案) 外出時、手洗い場がない場合、APD治療中の切り離し時などに便利であるため推奨 【共通】記録ノート(CAPD/APD)、排液確認ボード、保温カバー
【APD】治療結果印刷用記録用紙、APDシェル等

①加温器

負担金、申請については担当看護師が説明を行う。

②はかり

上皿秤かばね秤を用意する。10g単位で計測ができるもの、かつ2kg以上測定できるものを推奨する。APDを行う患者でもマニュアル(CAPD)を行う場合には必要になる(ので準備する。)

③スタンド

S字フック等でも代用可能。

④カテーテルケア用品

ガーゼ・綿棒・消毒液・テープ等、患者に応じたケア用品を用意する。

⑤入浴用品

個人で適切な入浴用品を準備する。電話やネットから注文できるシステムなども活用してもらう。

⑥手指消毒剤

外出時や手洗い場がない場合や、APD治療中の切り離し時などに便利であるため推奨。

⑦JMSから無償提供するもの

【共通】記録ノート(CAPD/APD)、排液確認ボード、保温カバー
【APD】治療結果印刷用記録用紙、APDシェル等

在庫管理と宅配について

災害などのトラブルを考慮して常に在庫を把握し準備する
(古いものから使用しているか、薬剤を医師の指示通りに使用しているか)
宅配ルールを守り、受け取りを確実に行う

日常生活

① 規則正しい生活を心がけ抵抗力を落とさないようにする
② 長期旅行、出張等の際にはかならずスタッフに連絡する
③ 昼間、夜間、休日の院内連絡網を明確にし、異常時にはすぐに病院に連絡する
④ ゴミの処理は各市町村のルールに従い廃棄する

社会面

患者状態に応じた、透析患者が受けられる社会保障やサービスについて紹介する

  • 特定疾病療養受療証
  • 身体障がい者手帳
  • 自立支援医療(更生医療)
  • 日常生活用具の給付
  • 重度心身障がい者医療費受給資格証
  • 障害年金

ポイント

体調の自己管理ができるようになることが大切です。異常事態が起きたとき、正しい対処ができるように指導します。

安全なPDライフが送れるように、実技チェックや日常生活についての理解を確認します。導入時以外にも定期的なチェックを行うことも有効です。